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修復作

長年の日光による紫外線と湿気などの影響で、背景画の剥落も進み、絹製のおきあげ部分も大変もろく、虫食いやカビによる破損も日々進行。額も弛み、釘や金具なども錆や腐食で調整を必要とする状態でした。

それまでの所有者が大切に保管していた下図(小川マス筆)が原寸大で現存。

今回その下図を元に、修復復元の作業は進められました。

 

おきあげを濱田和代、背景画と面相を日本画工房浮島館が担当。主役となる人形の復元には物語に合わせた登場人物の装束による「格」を意識した生地選びなど、現在では入手困難なものまで可能な限り再現、背景画は文化財的価値を尊重し、できる限り描かれた当初の筆を活かす方向で進めました。

幾重にも重ねられた和紙を一枚づつ剥がす作業から、裏打ち・表打ちを繰り返し、画面全体の汚れを落とし定着、遜色のない範囲で補筆を行いました。

​修復前
修復作業 
​仕上げ作業 
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